万年筆の楽しみと言えばインク選び
インク選びは慎重に
老舗の万年筆店では最初に入れたインク以外、そのペンに他のインクを入れるなと言われます。その理由は様々なメーカーの様々なインクを入れるとインクがペン先で固まってしまう恐れがあるからで、洗っても完全には落ちないからとの理由です。
こう聞くとペン先にインクを付けてインクの試し書きも避けたいと思いますよね?
また、万年筆メーカー以外のインクを入れるなとも言われたりしますが、これはメーカー保証が利かなくなるからです。
万年筆を買ってインクを楽しめないのでは意味がありませんが、慎重に楽しまなくてはなりません。買って来た万年筆におまけで付いているカートリッジなど間違えても装着しない事をお勧めします。
ガラスペンでインクを試す
新たなインクを買って来ても万年筆は使わず、インクを試したいならガラスペンがお勧めです。ガラスペンと言えば、日本製の佐瀬工業所が高い評価を得ています。
日本で生まれたガラスペン
ガラスペンは、1902年に日本の風鈴職人である佐々木定次郎によって考案されたのですが、佐瀬さんのお父さんが弟子入りし、その技を現在まで受け継いでいる唯一の後継者と紹介されます。ガラスペンはインクボトルにペン先を1回付けると、毛細管現象で、先端の溝にインクが吸い上げられ、はがき1枚が書けてしまいます。
インクだけではなく墨汁も使用可能です。
お手入れも簡単
お手入れも簡単で、使い終わったら水で洗うだけです。問題は、全てがガラスなので、インクボトルにペン先を打つけたりすると痛めてしまうなど取り扱いに注意が必要な事と、全て手作りの職人技なのでお値段も少々高くて15,000〜30,000円ほどなので、間違いなくお勧めなのですが、インクの試し書き用と言うには贅沢な品です。ガラスペンを本気で使いたい方や、購入希望の方は佐瀬工業所で検索してください。
その他のガラスペン
日本製ではその他に菅清風、川西硝子などの工房がガラスペンを制作しています。その他のメーカーとしては、シピン、ダライッティ アルバインターナショナル 、トマージ、ルビナート等があり、価格も2,000円程度〜とインクの試し書きには手頃なモデルがあります。
ヴェネチアガラスのガラスペン等、多彩なデザインがあり、見た目も美しくデスクに置いておくと楽しめますので、様々な紙とインクの相性を確認される為に、1本は準備される事をお勧めします。
次の記事では、使用しているインクを簡単にですがご紹介したいと思います。